デュアン症候群とは
眼球にはいくつか筋肉がくっついています。その筋肉を動かすことで、私たちは眼を上下左右に動かせることができます。いくつかの筋肉のうち、眼球を外側に向けるための「外直筋」という筋肉を操る神経に、生まれつきの異常がある場合があり、その結果、うまく目が動かなくなります。これがデュアン症候群です。要は神経の問題です。
原因
眼を外側に向ける筋肉である、外直筋を動かす神経核（外転神経核）というところが生まれつききちんとできていないことで、外直筋が「動眼神経（どうがんし んけい）」というお門違いの神経の支配を受けるはめになり、起きてしまいます。筋電図という特殊な器械で筋肉を調べると、異常な筋肉の放電があるのが特徴です。
症状
病気の側の目が全然外に向けないのと、内側には向けるのですが、その時、目が若干、奥に引っ込んで瞼が閉じ気味になります。右目のデュアンなら右目が全然 外に向けなく、逆に内側を向くと目が引っ込んで閉じ気味になります。内側を見た時には眼球が上にあがっちゃう（まれに下に）こともあります。また、顔の回転（頭位異常）させていたり、片目をつぶると開いている眼が左右にプププという感じで揺れる（潜伏眼振）合わせもっていることもけっこうあります。
診断
斜視になっている（特に内斜視）ことが多く、斜視がない場合や、外斜視の場合もあります。悪い方の目の側に顔をすこし回転させていることもあります。ま た、デュアン症候群は、「どっちに向けないか」でI、II、III型に分けています（以下）。また、すべての型で悪い方の目は内側を向こうとすると眼球が 後ろに引っ込んで、閉じ気味になります。
I型は外に向けない、内には向ける。
II型は内に向けない、外には向ける。
III型は外と内の両方に向けない。
治療
斜視になってなければ治療しなくていいです。外に向けないのは不便ですが、「どれどれ、異常支配をしている神経はこれだから、こっちは切って、あっちの神 経をこっちにつないで治す・・・」とかは残念ながら今の医学では無理です。ただ、デュアンの結果、斜視になっているなら斜視だけを治す手術の相談をしま す。あと内側を見た時の、目の引っ込みと閉じるのがあまりにもある場合は、外直筋という筋肉の手術をして引っ込まないようにすることもあります。