下斜筋過動(かしゃきんかどう)

下斜筋過動とは

斜視には横にずれる水平斜視と縦下斜筋過動にずれる上下斜視の2種類がありますが、下斜筋過動は上下斜視の原因になる代表的な疾患のひとつです。眼球には目をキョロキョロ動かすために6つの筋肉(外眼筋)がつながっていますが、そのうちの1つである下斜筋(かしゃきん)のバランスが強いため、上方・外まわし方向への眼の位置のずれが起こり、しばしば水平斜視(内・外斜視)に合併します。原発性(原因なく起きてくるもの)と続発性(何か別の原因に引き続いて起きてくるもの)、両眼性と片眼性があります。
鼻の方を見た目だけが上にぐっと入るという特徴的な症状がみられます。生まれつきの過動が多く、一般に複視(ダブってみえること)は自覚しません。

診断
横を見てもらったときの内転している方の眼の上転の有無をみて下斜筋過動の程度を診断します。ときに交代性上斜位という病気との区別が難しいことがあります。

治療
下斜筋過動の程度が強い場合、高度のV型斜視を起こしているときには、両眼視機能の発達がじゃまされるため、手術(下斜筋を弱める手術)を行います。両眼性の下斜筋過動に手術する場合には、左右眼の程度に差があっても両眼同時に手術を行います。