乳児内斜視(昔は先天内斜視)

乳児内斜視とは
乳児内斜視は、生まれてから半年以内にでてきた内斜視のことをいいます。ほとんどは、生まれて1か月以降に発症します。

原因
遺伝とか、筋肉や神経の異常などいろんな説がありますが、はっきりわかってないです。

症状
片眼がまっすぐ見ているときにもう片方の目が内側に大きくずれています。遠くを見た時とと近くを見たときでずれの大きさ(角度)が変わることはほとんどありません。
①どっちか一方の眼だけが、ずっと内側によっているのではなく、ある時は右眼、ある時は左眼が内側によるというように、ずれる目の左右が交代することがあります。
②眼のずれは、内側だけでなく内側かつ上側になることもあります。
③片方の眼を手などで隠すともう片方の眼が小刻みにゆれること(潜伏眼振:せんぷくがんしん)があります。この場合、目ずれの大きさ(角度)が変動することがあります。

診断
乳児内斜視は、「いつでてきたのか」時期の見極めが必要です。そのため、受診した時期によっては、受診までの写真を持ってきてもらって、写真で発症した時期を確認し ます。眼科では、眼のずれがどのくらいあるのかを測定します。また、他に原因がないかを確認するために、ちいさいお子さんのための視力表を用いた視力検査、遠視がないかどうか屈折の検査、眼球が正しく動いているかの検査などをやって、他に原因となる病気がないかチェックをしていきます。

治療
乳児内斜視はだいだいのお子さんは眼のずれの角度が大きいので、眼の位置をまっすぐにするためには目を手術をしなければならないことが多いです。早く手術をして両眼視機能(立体感や奥行き感など、目を一つのまとまりとして使う力)がきちんと育つようにします。あと、内側によっている目ではろくに物をみれていないために、よっている方の目は、本来物を見ることによって発達するはずの視力がきちんと発達していない「弱視」という状態になっていることがあります。弱視だと裸眼の視力も悪いのはもちろん、メガネやコンタクト、その他どんな手術、治療をしてもきちんと見えない状態です。どんなメガネかけても0.3とかしか見えなかったら困りますよね。なので弱視を治療するために訓練もしなくてはなりません。そして弱視の訓練できるのは子供のうちだけで、年齢にはタイムリミットがあります。