固定斜視(こていしゃし)

固定斜視とは
片方の目が、内側か外側に寄った状態で固定され、ぜんぜん動かなくなってしまった状態です。両目で起きることもあります。
原因
先天性と後天性があります。先天性では、目を動かす筋肉がくっついているところの異常か、その筋肉が繊維みたいになって動かなくなっちゃっていることが原因です。

後天性では強い近視が原因です。とんでもなく強い近視というのは、眼球は前後に伸びて極端に言えばラグビーボールみたいな形になっちゃっています。すると眼球の後ろの部分が目を動かす筋肉と筋肉の間にスルッと挟まりこんでしまいます(上直筋と外直筋の間に脱臼します)。その状態で動かなくなると固定斜視となります。
症状
先天性、後天性ともに、だいたい内斜視になります。後天性では、主に中年以降に発症し、だんだん眼球が内側かつ下側によっていき、黒目がほとんどみえないくらいまで寄って固定されてしまいます。だいたいは片眼または両眼に強い近視があるせいで視力も悪くなっていることが多いです。
診断
正面だけでなく左右を向かせたときに全然動かないことを確認します。次にひっぱり試験といて眼球をピンセットでつまんで左右上下に引っ張ってみる検査をします。すると、どの方向へ引っ張っても強い抵抗があります。

あとは画像診断で拡大した眼球と眼窩外側壁とに外直筋が挟まっている状態や、眼球が上直筋と外直筋の間から脱臼している状態がみられます。

外転神経麻痺という病気でも目が内側に寄って、外に向けなくなるので筋電図という検査をしてみて区別します。すると眼球を外に向かせたときに外直筋は正常波形を示し、外転神経麻痺との区別ができます。外転神経とは、目を外に向かせる筋肉に命令を出す神経です。
治療
だいたい手術しちゃいます。というのも、筋肉と筋肉を縛るだけの簡単な手術で劇的に改善することが多いからです。内側に寄ってしまっていた目が、真ん中近くにくるので見た目がよくなって女性の方などは、とても喜びます。