恒常性外斜視

恒常性外斜視とは

常に外斜視(*1)が出現している状態の斜視です。つまり片目はまっすぐ目標を見ているけれど、もう片方の目ははずれっぱなし、という状態です。生まれてすぐ~1歳までの間に外斜視がでてくる場合や、はじめは間欠性外斜視(*2)だったのに、いつの間にか恒常性外斜視になってしまう場合もあります。この場合、「「目つきがおかしいときと大丈夫なときがあったけど、いつの間にかはずれっぱなしになってしまった」というイメージになります。また白内障や緑内障、網膜剥離などの目の病気、目のけがなどで目がよく見えなくなってしまったがために、両眼視機能(*3)が悪くなった場合にも恒常性外斜視が出てくることがあります。

*1 外斜視:片眼が目標を見ている時に、他眼が外側(耳の側)へずれている状態。

*2 間欠性外斜視:外斜視が出る時と出ない時の2つの状態をあわせもっている外斜視。「目つきがおかしいときと大丈夫なときがある斜    視」と言えばイメージしやすいでしょうか。

*3 両眼視機能:両眼をひとつのまとまりとして使う能力(立体感や奥行きを感じるちからなど)

恒常性外斜視の症状

外れているときは物がダブってみえます(複視)。これは本人からするとけっこう、うっとおしい見え方です。
間欠性外斜視と同様に11歳くらいまでに外斜視が出現した場合は、この複視を避けるために体が勝手に適応して、「抑制」という働きが起こり、複視を自覚しない場合が多くあります。これによりダブりは感じなくなりますが、抑制はあまりいいサインではないと思います。

恒常性外斜視の治療

外斜視で眼が何度くらい外にずれているかによって治療方法は異なります。ずれの角度が大きい場合は眼球にくっついている筋肉(眼球を動かすための筋肉)をうまくずらしたり短くしたりする手術でまっすぐ向かせます。また、間欠性外斜視から恒常性に移行した場合で、ずれの角度が小さく、まだ複視がある場合は、プリズムという治療法や両眼視機能の働きを強化する訓練でなんとか自分でまっすぐ向けるように持ち込めないかトライすることもあります。