「ブルーベリーを食べれば目がよくなり白内障にならない!!」
「ブルーベリーの成分配合!サプリメントで目の病気が治る!!」
インターネットで検索したり、あるいは書店の健康関連本コーナーで、こんなフレーズを目にしたことはありませんか?本当にブルーベリーをたくさん食べれば目が良くなるのでしょうか?
ブルーベリーに含まれるアントシアニン
ブルーベリーは北アメリカ原産のフルーツで、青色の甘酸っぱい実をたくさんつけます。現在広く食べられているものは、食用に品種改良を重ねられた品種です。
ブルーベリーにはアントシアニンという成分がふくまれています。アントシアニンは、網膜の血管や神経細胞を保護する作用があり、目のはたらきに欠かせない成分です。
ブルーベリーを採り過ぎると太る!?
そんなアントシアニンですが、毎日たくさんとれば、その分だけ眼もよくなるのか?というと実際はそうでもありません。
むしろ、フルーツ類には糖分が多く含まれるため、ブルーベリーはフルーツの中では比較的ローカロリーですが、ブルーベリージャムなどを過剰摂取すると肉の脂肪分を食べるよりもすっと太りやすく、最悪、糖尿病を引き起こす可能性もあります。
私が大学病院に勤務していたころ、「眼にいいと聞いたから、毎日ブルーベリージャムをたくさん食べている」とおっしゃる糖尿病網膜症の患者様がいらっしゃいました。ブルーベリーの過剰摂取のために、糖尿病の血糖コントロールがうまくいかず、ブルーベリージャムをやめてもらうのに一苦労した経験があります。
ブルーベリーサプリメントを執拗に奨める業者には要注意
ブルーベリーだけではありませんが、「目にいい成分が含まれていますよ!」とサプリメントを執拗に奨めてくる業者には要注意です。実際に患者様に向き合って治療した経験もなく、ネットで調べたりしただけの知識で過大広告をうたっている場合がほとんどだからです。
このような業者は利益優先です。大切な目を守るためにも、これらに振り回されないことが肝要です。
眼科医が必ずしも栄養に詳しいとは限らない
私も患者様からよく聞かれるのが、「目にいい食べ物を教えてください」という質問です。
しかし、眼科では「現実はたかが食べ物で目がよくなることはないなぁ。目薬や手術で治療しなくては効果がないですよ」といわれることもしばしばのようです。
医学部では栄養学の授業はない上に、特に眼科医は、臨床の現場に出てからも、ひたすら外来・病棟・手術・論文で忙しいため、栄養学に関しては疎くなりがちです。そのため、眼科の先生は栄養と目についてはあまり重視しない傾向にあります。
もちろん、忙しい合間を縫って独学で、栄養学や東洋医学を学ばれる熱心な先生もおりますが、他の業務も忙しいために、栄養士に匹敵する知識を習得するのはなかなかに困難なのが現実です。そのため、食べ物に関して聞いても詳細な回答は期待できないことも多いのです。
栄養士の栄養指導も活用しましょう
むしろ「食事=栄養」に関しては専門資格である栄養士が一番詳しいため、ブルーベリーなどのサプリメントを使用する場合は、眼科医だけでなく栄養士の栄養指導も活用するとよいでしょう。
ただし、サプリメントに頼るのではなく、あくまで普段の食事から改善していくのが基本です。本来毎日の食事から栄養素はとるべきものであり、食事の代わりになるものではないということを頭においてください。
摂取量が多すぎると過剰症が出るものもあります。はた眼科では眼科分野を研究している専属栄養士を配置していますので、いつでもお問い合わせ・ご相談いただければと思います。
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