Brown症候群(ブラウン症候群)

Brown症候群とは
眼球を動かす筋肉である「上斜筋」(じょうしゃきん)という筋肉の腱が、いろいろな原因で伸びにくくなってしまって、目が斜め上に向けなくなる状態です。

原因
先天性と後天性があります。
先天性では、生まれつき上斜筋の「腱」自体が短かかったり、硬かったりしたときにブラウンになります。また上斜筋は滑車みたいな形をした部分をくぐっているのですが、そこのところの動きが悪かったりしてもブラウンになります。

後天性では、以下がブラウンの原因になります。
①斜視の手術

②リウマチとか甲状腺の病気での炎症

③副鼻腔炎とかの感染症

④ケガ

⑤その他(滑車部のできものなど)

症状
ブラウンの症状は以下です。

①内上転障害(右眼がブラウンなら左上を向けない、左眼であれば右上を右上を向けない)

②上を向いたときに外斜視がでることがある(眼が外にずれる)。

③下斜視がでることがある(眼が下にずれる)

上記の症状があるために「顔をまわして物を見たり」や「顎上げて物を見たり」することがあります。複視(物がダブって見える)を訴えることもあります。

診断
斜め上を向けない(内上転障害)を確認します。また、そもそも上斜筋が正常な筋肉と同じようにちゃんと進展できるのか(ひっぱり試験)、筋電図という検査やMRIなどの画像の検査などを行い総合的に診断します。ひっぱり試験とは、眼球をピンセットでひっぱって動かし、目を動かす筋肉の異常を調べる検査です。

治療
先天性では自然に治っちゃうこともあります。後天性では何が原因かによって、経過もまちまちです。ブラウン症候群を起こしうる原因はたくさんあるので、臨機応変に対応しながら治療します。